ピアノは非常に高い張力で弦を張っているため、定期的に音の高さを整える調律(チューニング)が必要ですが、実はこれだけでは必ずしも満足のいく弾き心地が得られません。
ピアノは鍵盤を押すと誰もが簡単に音を出すことのできる楽器です。しかしその内部構造は複雑に入り組んでいるだけでなく、気候の影響とりわけ湿度の影響を受けて時事刻々と変化する「きまぐれ精密機械」です。
よって調律に加えて内部の複雑な打弦装置(アクション)の各部品を正しく動く寸法に整える整調(レギュレイティング)作業と、弦を打つハンマーの状態を均一にし、音量と音色のバランスを整える整音(ヴォイシング)という作業を併せて行うことで、ピアノ本来の軽快なタッチと心地良い響きを奏でることができます。
また、ピアノの音に重要なハンマー、ダンパーという部品や、動く部品の接触部分には、羊毛を加工したフェルトやクロスが取り付けられています。これらには、蛾などの害虫が繁殖しやすく、雑音や不具合が発生します。
金属部分には錆が発生しやすく、放置すると弦の張り替えやチューニングピンの交換という大がかりな修理に直面することになり兼ねません。
これらは内部クリーニングによって不具合の早期発見と予防措置で被害を軽減することができます。
当調律所は定期的なピアノメンテナンスを毎回下記のチェックリストに沿って、ピアノの維持管理を行っています。
たとえ同じ機種のピアノでも、お客様のピアノは使用環境や使用状態によってそのご家庭独自の音が年々創られていきます。その大切なピアノ一台一台の特性を知り、ベストの状態に引き上げるため、毎回限られた時間の中で不具合の傾向を集中的に直す作業を盛り込んでいます。
このようなピアノの定期的な維持管理を通して、次の世代にも永く弾き継いでいけるよう、ご地域やご家族の伝統や文化の継承のお手伝いをさせていただきます。
アップライトピアノ:13,000円 / 約2時間
グランドピアノ :16,000円 / 約3時間
*調律空き年数3年以上、またはピッチ低下が大きい場合は、お客様とご相談により再調整や修理をさせていただきます。詳細は休眠ピアノの修理
*別途出張費が発生致します。
・メトロノーム、椅子、ピアノカバー、耐震インシュレーターなどピアノアクセサリーも取り扱っております。
・ピアノの移動、レッスン、などピアノに関することは何でもご相談ください。
ピアノは、まず鍵盤が違和感なく動くことが重要です。
鍵盤の高さと深さは、てこの運動によって弦を打つハンマーの動きが増加するため、基準寸法に対してほんのわずかの変化でもタッチコントロール及び音色が悪化します。このため、鍵盤の下にわずか0.1mmオーダーの紙パンチングという部品を出し入れし、88個の鍵盤を全て一律に揃える精密な調整が必要です。
ピアノの連続使用や経時変化により、木材部品は木の変形やねじのゆるみが発生します。ピアノ内部のアクションという打弦装置には、ぎりぎりの間隔で多くの部品が組み込まれていますので、弦を打つハンマーがほんのわずか左右にずれただけでも隣のハンマーに接触して音が出なくなったり、音色の低下やハンマーそのものを傷めたりします。
響板の上にいつのまにか溜まった埃などはしみなどの汚れの原因になるだけでなく、弦振動を妨げてしまいます。
見た目も「楽器の王様」にふさわしい状態になるようクリーニングが可能です。
鍵盤のすきまに鉛筆の芯や、クリップ、硬貨など固い異物などが入り込むと、音が出なくなるだけではなく、場合によって鍵盤や内部の部品を破損することがあります。
鍵盤の隙間に何か入り込んでしまったときや、ピアノの上で水分がこぼれてしまった場合も含め、何か異常が起きたときはご連絡ください。