ピアノといえば鍵盤楽器です。しかし、整然とした鍵盤の配置や翼を広げたようなグランドピアノのフォルムは洗練されたデザインを伴い、構造設計やアクションのメカニズムは力学や精密機械の要素を、弦振動による音律は数学と物理学に基づいています。つまり音楽を楽しむ楽器ですが、実は様々な分野の知識や技術が凝縮されています。
また、使用されている主な材料は木、羊毛（フェルト）、金属という自然素材ですので、その特性は温湿度の影響を受け常に呼吸をしている生き物のように振舞い、アクション内部は複雑に入り組んだ構造が時に目にも止まらぬ超ハイスピードで動き回ります。
学校や幼稚園の調律に伺いピアノのハンマーがパラパラ動く様子が見えると、一斉にこどもたちに取り囲まれて仕事が始められないことが多々あります。これはご家庭に訪問した際も同様、こどもにハンマーが動く様子を見せたいとピアノ内部の写真を撮られるお客様も後を絶ちません。
今回ピアノの内部をお披露目しながら複雑な構造や音の出るしくみをご紹介し、音楽やピアノに触れる機会の少ない方、興味のない方でもピアノをお楽しみいただけますよう、マグロならぬ”ピアノの解体”に腕を振るわせていただきます。
ピアノの中身を実際に見て！触れて！新たな魅力を感じていただくと同時に、舞台ではなくピアノの真近にて、素敵な地元出身のピアニストによる「ピアノの生音」をまるごとご堪能下さい。
当方の翻訳書「ピアノの探究」を通じ、拓殖大学第一高等学校図書館司書萩原先生のお計らいにより
芸術科特別講座にて「ピアノ解体ショーとミニコンサート」を実施させていただきました。
受験を控えた高校生の理解度は高く、多くの鋭い質問が飛び交いました。
日時：令和6年12月21日（土）13：30～15：30
場所：東京都拓殖大学第一高等学校 学校長：宮川努先生、音楽担当：清水雄太先生
参加者：高校生有志22名、先生4名
ミニコンサート pf：小倉茉緒（東京音楽大学大学院卒、モーツアルテウム音楽大学留学）
主催：（一社）日本ピアノ調律師協会関東支部
コロナ禍落ち着き、久々に大勢の子ども達への実施をご協力いただくことができました。
従来以上に、「見て」「聞いて」「体感」していただくよう工夫させていただきました。
大人が感じる以上に中学生の感覚は非常に鋭く、感じたことを素直に受け止めてくれ、一体感に包まれた音楽会の醍醐味を味わうことができました！
日時：令和5年7月4日（火）
場所：富士宮市立第三中学校音楽室13：00～16：00 学校長：佐野和雄先生
参加者：中学2年生4クラス、約120名
ミニコンサート pf：中村由実子
22年ぶりにリニューアルされた古いピアノを、活用させていただきました。また、園でレッスンを受けている児童の発表会も同時開催、おおらかな大ファミリーの雰囲気が大変印象に残りました。
日時：令和5年2月19日（日）13：00～16：00
場所：芙蓉会ひまわり園 園長先生：種田賢二
参加者：小学生以下28名、中学生8名、高校生6名、大人9名 合計51名
ミニコンサート pf：中村由実子
「まぐろ解体ショー」は目の前でマグロを解体して新鮮なマグロを味わうもの。これに対して自由研究会の「ピアノ解体ショー」ではピアノの音のしくみを知っていただいてから、ミニコンサートで貴重な銘品ピアノの「なまの音」を真近でじっくり聞いていただくものです。
今年度は音大でピアノの調律を勉強する学生が増え、ミニコンサートはさらにお楽しみいただけたようです。
輸入ピアノ.comの鴨下社長、及びスタッフの皆様には、今年度も開催させていただきまして感謝申し上げます。
日時：令和6年7月28日（日）
場所：新宿 輸入ピアノ.com
ミニコンサートpf:
フロイデ音楽院ピアノ講師 小倉奈緒、
輸入ピアノ.comスタッフ 矢田紘子、
国立音楽大学 成川隼世、今西なずな、二宮大徳、五木田美海
新宿御苑前の輸入ピアノ.COMには、ドイツ製シュタイングレーバーをはじめ、スタインウエイやベヒシュタインなど世界中の銘品ピアノが展示販売され、さらに試弾もできる数少ない店舗です。こちらでピアノの音がでるしくみや歴史、調律師のお仕事を紹させていただきました。
さらに調律体験とミニコンサートに加え、ピアノの部品で作る夏休み工作を約30組の皆様にお楽しみいただきました。
今回協力いただいた若手ピアニストさん4名の演奏はコロナ以来4年ぶりにて清々しく新鮮、ピアノ本来の生音の魅力を実感できたのではないでしょうか。
輸入ピアノ.comスタッフの皆様には準備～片付けまでお手伝いをいただきまして深く御礼申し上げます、ありがとうございました。
日時：令和5年8月11日（金） 代表：鴨下ゆかり
場所：新宿 輸入ピアノ.com
参加者：親子約30組
ミニコンサート pf:フロイデ音楽院講師 小倉茉緒、東京芸術大学学生 八部陽菜、国立音楽大学学生 伊藤太一 井上真季
スタインウエイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタイン、ペトロフ、そしてシュタイングレーバーなど、世界の銘品ピアノによる解体ショーとミニコンサート、ピアノの部品を使った夏休み工作を行いピアノについて楽しく学ぶ会を開催。
日時：令和元年8月4日（日）10：30～、13：30～（2回）
場所：新宿 輸入ピアノ.com
参加者：親子40組
ミニコンサート pf:矢田紘子、石川叶望、鴨下ゆかり
当方が講師を務める国立音楽大学のピアノ調律コースは、音楽の歴史や理論、音楽美学（哲学）、楽器学、音響学等を学ぶ 音楽文化教育専攻の音楽情報専修（旧楽理科）に属しています。
この長く難しい専攻の一部をわかりやすく高校生に説明するため、1回目はピアノの歴史、構造や音がでるしくみについて、 2回目はピアノの調律について、「ピアノの探究講座」と題して詳しく講義させていただきました。
音楽高校という恵まれた音楽環境の中では身近なピアノですが、意外と知られていないピアノと調律について学問の一つとして捉えていただけたように思います。
日時：令和6年6月21、28日
場所：国立市国立音楽大学附属高校
これは日本ピアノ調律師協会が音楽文化の発展に寄与することを目的として全国で行っている活動の一つです。
コロナ禍の終息と共に、若手演奏者12名による個性豊かなピアノの音が響き渡りました！
今回2名のお客様を推薦させていただいたところ、エネルギーに満ち溢れた堂々たる演奏を披露していただきました。
・佐野遥さん ：F.ショパン作曲 24のプレリュード変二長調Op.28-15「雨だれ」（写真後列右端）
・三井涼太さん：F.ショパン作曲 ポロネーズ変イ長調Op.53「英雄」 （写真後列左から2番目）
仲道先生の貴重なアドバイスをいただきまして、今後も陰ながらサポートさせていただきたいと思います。
